朱き騎士の帰還

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新隊長はメットを取ったフィオの方を見て驚愕する。 「なっ、フィオ!?」 「?」 新隊長の叫びに、フィオは首を傾げた。 逢った事もない人物が、行き成り自分の愛称を叫んだからだ。 しかし新隊長は首を何度か振り、少し寂しそうに呟いた。 「そんな筈がない……か」 勝手に驚き、勝手に自己完結して納得したらしい。 「済まないな、知り合いによく似てたんだ」 「知り合いにって、じゃあどうしてフィオの愛称を?」 セリアスの言葉に、新隊長は驚いた表情になる。 「そっか、君の愛称もフィオ……なのか。通信した時はメットを被っていたから気が付かなかったよ」 懐かしそうに、感慨深く、それでいて悲しそうな、そんな複雑な表情でフィオを見ていた。 あの時、彼は墜ちる前に機体へと搭乗し、墜ちかけていたフィオの機体に通信を入れている。 受け止めるから爆発する前に飛び出して、自分の担いだ機体に乗り換えろと。 フィオはどの道死ぬ状況を鑑み、言われた通りにファルコンから飛び出した。 そして、漆黒の機体が担いでいた白銀の機体のコクピットへと潜り込み、個人認証を行う。 機体自体は自動索敵・迎撃システムで勝手に戦っていたが、それも誰かが乗って認証しなければ動かなかったのだろう。 詰まりフィオは認証だけ行って、後は機体がプログラムに従い戦っていたのだ。 「自己紹介が遅れたな。 俺の名前は日乃森シオン、階級は中佐だ」 シオンが自分の官姓名を名乗る。 .
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