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新隊長……シオンは自らを中佐だと言った。
つまり。
「うげ、少佐より階級が上なのかよ?」
源治よりも階級が一つ上であるという事で、源治の前が大尉、源治が少佐、そしてシオンが中佐と、何故か少しずつ階級が上がっているという事実。
「次は大佐が来たりしねぇよなぁ?」
思い過ごしだとは解っていても、そう考えてしまう。
しかし、なんやかんやで自己紹介を終えた。
そして源治が言っていた、下手な事をすれば逆にクビが飛ぶという意味も成る程理解出来る。
日乃森家と月乃杜家は同族であり、『武の日乃森』『政の月乃杜』と呼ばれる程有名な一族なのだ。
そしてこの両家は女系の一族でもある為、原則『直系の男』は存在しない。
もしも日乃森を名乗る“男”が存在しているとしたら唯一、日乃森と月乃杜を束ねる【総帥】のみ。
即ち、目の前にいる“男”が日乃森を名乗る以上、彼が“あの日乃森家”の総帥という事になる。
「(成る程なぁ、可成やべえ相手って訳かよ?)」
ヘリオンはシオンを見て考える。
手に負えない相手だと判ったが、だからと言って好き勝手される訳にもいかないし、どうしたものかと。
「ねえ、日乃森中佐?
貴方ってさロリコンだったりしないかしら?」
「「ブフゥゥゥーッ!?」」
セリアスの言葉に、源治とヘリオンが思わず吹いた。
「は、ハァ?」
シオンもシオンで、セリアスの突然のぶっ飛んだ質問に戸惑う。
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