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「え……と、その質問の意図を訊いても良いか?」
「前の隊長がねぇ……」
溜息混じりに言うセリアスに、思わず源治を見てしまうシオンだったが、源治はフルフルと首を横に振る。
その視線を見て、セリアスが補則を入れた。
「ああ、前のってのは中佐の前じゃなくて、少佐の前でね? 北 矩継っていう元大尉よ」
「ああ、確か何かで問題を起こして懲戒喰らったとか聞いたかな?」
シオンも思い出したのか、心当たりに気が付いた。
大尉と云えばそれなりに高い官位になる。
そんな官位に在るものが、部隊員に対して起こした犯罪なだけに、結構な問題として持ち上がったのだ。
「で、何があった……って訊いても良い事か?」
「私が襲われたのです」
フィオが大胆にも発言をする。
「襲われた……? 成る程ねえ、それでロリコンか」
「勘違いしないで、未遂なのよ?
この子はちゃんと綺麗なままなんだからね、変な勘繰りはしないでよ!」
セリアスがまるで怒鳴る様に、叫ぶ様に言った。
「俺がぶん殴ってやったからな」
ヘリオンが腕捲りし、二の腕の力瘤を見せて言う。
「取り敢えず、ロリコンと呼ばれる偏った性癖は無いけど、もしその子を好きになれば……な?」
「オッケー、解ったわ」
結局シオンは、好きになった者が好きなのであって、特に偏った嗜好は無いという事で落ち着いた。
源治は可成ハラハラしていたが。
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