箱庭

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   私の世界はとても小さい  きっとこの古ぼけた小さな公園くらいしか無いんだろう。  いつも一人で遊んでいた砂場を見つめる。  小さい頃はもっと広く感じたのに  1…2…3…4…5…、5歩  今の私が普通に歩いてたったこれだけの小さな砂場  この砂場が小さい頃の私の世界の大きさ  そう思うと私も少しは成長したんだろうか?  微妙…  どっちにしても、小さい小さい  小さな私の世界。  小さくても私はこの世界を気に入っている。  その世界の中心には変わる事なく今もあの人が存在し続けていから  これから先も変わらないとも思う 「…すっぽかされちゃたかな?」  口に出して呟くと涙が出そうになった。  待ち合わせの時間からもう2時間近くになる。 「…帰ろっかな。」  そうつぶやいても足は公園の外へは向かわず、ブランコに行き腰を下ろしてしまった。 《カチャン…キィ…キィ…》  こないって事が彼の返事なんだろうか?  未だ何も伝えてないのに… (告白する前に…振られちゃ…) 「うっ…」  鼻がツンとし涙が出そうになるのを我慢した。  絶対…泣かない…  振られたって諦められ無いって分かってるから  私はキッと空を睨んで深呼吸する。  深く息を吐くと、勢い良く立ち上がり 「帰ろう。」  そう自分に言い聞かせ一歩を踏み出した。  公園から出ようとした時遠くから自分を呼ぶ声が聞こえ、歩みを止め視界に入るその人物に目を疑い視界が歪んでいく。来てくれただけで嬉しくて、一生懸命彼は謝ってくれたけどそんなの私の耳には届かない。  泣きじゃくりながら私は沸き上がる感情を押さえられず 「…好き………ゃんが…好きなの…」  告白していた。  待たせた罪悪感か  はたまた、健気に待っていたのか可愛く感じたのか  色んな相乗効果があったおかげかもしれない。  彼は嬉しそうに笑うと私を抱き締め、私の恋は成就した。  今も私の小さな世界の中心には変わる事なく彼がいる。  やっぱりそれは、これから先も変わる事は無いと思う。  だけど、世界は変わる。  私の小さな世界の中心にもう1人大切なあの子が現れるのはもう少し先の話。  
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