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今日私は高校を卒業した。
帰りに友達とカラオケに来たけど用事かあると言って学校に戻ってきた。
ある目的を果たす為に
私は迷わず美術室に向かう。
あの人はきっとそこに居るから…
美術室は別棟の一階にあり、私は外から中の様子を伺うと
いた!
あの人を見つけた瞬間、私の顔は綻んでしまう。
心の準備もままならないまま、私の手は動いていた。
《コンコン》
窓を叩くとあの人は少し驚いて、いつものやさしい笑顔で出迎えてくれる。
それだけで凄く嬉しくなった。
「どうしたの?」
「先生に言いたい事が有って、青春の最後の1Ρに。」
「なんだそれ。はは、お礼参りならやめてくれよ。」
「実はそうだったりして。」
「おいおい。」
こういうふうに話せるの今日で最後なんだ…
凄く優しい人…
私だけじゃない
みんなに優しい人…
そんなの分かってるけど
「あのね、先生。私先生の事が好きなの。」
最後だから…
突然の告白に固まる先生。そして…
「…せん…せい?」
みるみるうちに真っ赤になる先生の顔、それを見て
私の思いは報われたような気がした。
「あはは、先生真っ赤だよ顔。」
「あ、あのなぁ~。」
(言って良かった…良かった…これでやっと…)
「ふはは、はぁ~…先生…遅くなったけど、ご結婚おめでとうございます。」
去年、先生は同僚の先生と結婚した。
「……ありがとう。」
一瞬困った顔して、先生は少しはにかんで笑った。
初めて見るその顔に
「…うん。じゃ、バイバイ先生。」
決定的な何かを感じて
「おぅ、元気でな。」
「先生もね。捨てられないようにね~。」
「余計なお世話だ。」
私の半年前に終わるはずだった恋はやっと終わった。
高校最後の帰り道、やっぱり涙は止まらなかった。
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