悪友、嘉本千代

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体育のために運動場に出ようとしたが、雨が降っていた。 先生は、体育館でバスケをしている男子から半分、場所を奪い女子の前で言った。 「やることないからあれやろあれ。氷オニ。」 あんたとあんたとあたしがオニ。と陸上部で足の早い何人かを引きずり込み、10秒を数える前に追いかけ始めた。 「何の話してたの?」 「何が?」 「とっぼけないでよー。ちゃんと二人きりにしてあげたじゃーん。」 「……確信犯か…」 私とチシは、捕まってもいないが逃げるのもめんどうなので、端に座っていた。 「別に、そんな楽しい話はしてな…」 私の言葉を遮って、甲高い音が男子のコートから聞こえた。 「お、始まったね。」 見ると、男子はバスケの試合が始まったようだった。
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