悪友、嘉本千代

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「お。あれ、来島くんじゃね?」 チシが指さすほうを見ると、たしかに来島がコートの中にいた。 「応援してあげれば?」 「誰が。」 吐き捨てると、ぼんやりとボールの行く末を見ていた。 「まったく…こんな容姿だけの高飛車を好きになるなんて…」 「あ?」 「冗談ですシオにはいいところがたくさんあります。 ……それでもね、あんな暗い来島くんがシオに言い寄ってきた勇気は認めてやるべきよ。」 ……た、たしかに、そうなのか? 私が頭を抱えているとき、弾かれたボールが来島の手に渡った。 そして、来島は一瞬、私を見た。
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