悪友、嘉本千代

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諦先輩は、校舎の裏に一人でいた。 テニスの練習か、壁を相手にボールを打ち続けていた。 「ぎゃーかっこいい! 実物はヤバいわね!」 「でしょー? 自主トレとか努力も惜しまない辺りもステキだし!」 「っていうか、テニスうまいね…ルール知らないけど。」 「それって邪道じゃないかな?」 三人で、コソコソと影から見ていた。出ていく勇気はとりあえずなかった。 「というか根本的な問題として、来島くんはシオが副会長見に来ても文句言わないの?」 私を目の前にして、チシは来島に声をかけた。後ろに下がって音楽を聞いていた来島は、下を向いたまま答えた。 「うん、別にいいんじゃない?」 「あら意外。自分のほうがかっこいいとか運動できるとか言わないの?」 それは少し気になったので来島を見ると、少し悩むように頬をかいてからこう言った。 .
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