30人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
「うん、今のところ、俺に潮那の行動とかを縛る権限ないし。
それに、あの人が努力してることは事実だから、否定するのは人として失礼だ。」
いやあんたは人じゃない。
心の中で冷静にツッコミを入れたが、チシは私に小声で話しかけた。
「こいつ、意外と紳士ね。」
「頭おかしくなったの?」
チシと小声でヒソヒソと話していると、来島が私達の後ろに目を向けた。
「何か用?」
女性を一瞬で虜にするような低い声。
ゆっくりと振り返ると、諦先輩がこっちを見ていた。
「俺に何か用事でもある? ないなら集中したいから静かに…」
そこで言葉を切ると、少しの間の後、にっこりと笑った。
.
最初のコメントを投稿しよう!