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「俺の練習、見に来てくれたの?」
にっこりと笑った顔は太陽のようだった。チシと一緒に何度もうなずいた。
「ありがと。君の名前は…」
「あ、千代です! 千に代わりでチシロ!!」
「へえ、かわいいね。君は?」
「はっ、潮那です! さんずいに朝でシオ、那覇の那で潮那!!」
「へえ…君があの潮那ねえ…」
へー、とか、ふーん。とか何度も言ったあと、また、にっこりと笑った。
「潮那、よかったら俺と一緒に帰らない?」
「えぇ!?」
まさかのお誘いに驚いて、反射的に後ろを向きそうになる。
…って、何で来島の心配なんてしてんのよ、私!
「いいじゃん、行きなよ。」
隣から、チシも言ってくれた。もともと先輩を見に来たのはチシだろうと視線を送ると、小声で
「倍率高い獲物は狙わない主義なのよ、私。」
そう言ってくれた。だけどチシ。
あんた、目の保養のためだけに先輩見に来たね?
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