先輩? 落合諦

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「お待たせ。じゃあ行こうか。」 テニスのラケットが入っているように思われる大きな鞄を持って、諦先輩は爽やかに笑った。 ぐっはぁ目の保養。 そして、二人で並んで帰路につく。私は電車で、先輩は自転車だった。 「潮那ってさ、よくかわいいって言われたりしない?」 「えぇ!? し、しませんよ!」 「えー、こんなにかわいいのに?」 赤面した。 そんな他愛もないような会話を……いや他愛はあるのか?……まあいい、とにかく、駅の近くまで来ていた。 「あ、私、電車ですからそろそろ……」 「ねえ潮那。」 私の言葉を遮った先輩の声は、耳のすぐ近くで聞こえた。 顔を向けると、端正な顔が目の前にあった。 「キスしていい?」 突然の申し出に、私は何も言えなかった。 .
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