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来島暁は悪魔だ。
まるでアホらしいが、来島は確かに人間には不可能なことをやってのける(主に鉄パイプの素手工作)。
だけど、教室の自分の席で、うつむいたまま動かない姿は他の生徒と変わらなかった。
「…………。」
「……何よ。」
「いやー? シオが来島くんとケンカしても、私と関係ないわよ?」
チシが、嫌な視線を私に送り続けていた。確かに今日、来島とは話していない。
だけど、別に私から話しに行く必要も義務もないわけだし。
「あ、シオが言い訳した。」
「……何も言ってないじゃない。」
「なんとなく。」
チシの言葉は無視して、窓の外を見た。見事に雨だった。
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