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「そういえば、」
私は私らしくいることにした。来島に見栄をはったり気を使うなんて、まっぴらごめんだわ。
「失礼なこと聞くわよ?」
「ん、おっけ。」
軽々しく言われたから、スラスラと口にできた。
「強くないからってどういうこと?」
来島は、特に表情を変えなかった。だけど、傘から落ちる水滴が一瞬だけ増えた。
「……悪魔だから力が強いのは、間違いなんだ。」
来島は、つらつらと答え始めた。説明するのうまいから先生にでもなればいいのに。とか思った。
「俺は特に、強い思念から生まれてる。諦……落合先輩? もそれなりに強いから、やっぱり加減しながら生きてる。」
望めば私の傘の柄だって、簡単に白鳥に変わるわけだ。
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