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とにかく! と来島の額を箸で指した。
「私はそんなに気にしてない。だからあんたも気にするな。うざい」
そう言うと、しばらく黙った来島が、長い息と共に机に突っ伏した。
「何よ?」
「……いや、期待していいのかなーとか思ってないよ」
その意味を理解してから、来島が見てないことをいいことに、柄にもなく頬を染めた。
私の心は、確かに動いている。
どうでも良かった相手だったのに、友達程度の間にはなっているだろう。
だけど、断言できる。
「油断してると、足元掬われて転ぶわよ」
私は、来島を好きにはならないだろうって。
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