悪魔こと来島暁

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「かっこいいってのは今から見た目変えるのはできないし…運動は部活入ってたほうがいいの?」 こいつは私のために部活に入るつもりなのだろうか。 「いいわよ。体育で活躍する程度でもポイントは高いわ。」 「うん、そうだとありがたい。」 こいつはいったい何なのだろうか。悪魔ならばもっと威厳があるだろうし、嘘ならば鉄パイプは曲がらない。 長い前髪の間で笑う顔は、かっこいいよりもむしろかわいいに分類されるような顔だ。 私じゃなくて、かわいいものが好きと有名な生徒会長のほうが何倍も綺麗だし付き合える確率も上がるだろう。 「あ、俺のことは暁って呼んでくださいね。俺も潮那で呼ぶんで。」 「何が面白くて名前で呼ばれなあかんのだ!」 「俺が呼びたいからです。」 どきりとした。恋が始まるような音ではない。 黒々とした瞳の奥で、まるで蛇がうごめくように何かが揺れた。それに、恐怖した。 生き物の本能と呼ぶような場所が叫んだ。 こいつはヤバい。と。 .
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