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3人であきおの眼鏡を捜索したけれど、結局見つけることができなかった。
あきおは、もういいから、と言って剣道場へ戻ってしまったけど。
「なんで眼鏡なんてなくしたんだろうね。」
ゆうがくるくると髪の毛をいじりながら言った。
「そうだねぇ」
あきおは、クラスで一番しっかりしてるし、しかも眼鏡なんて大事なものを失くすとは思えない。
どこかやつれたような顔も気になった。
「あ、椎奈にお土産買ってこ!」
道すがら、いつも寄る雑貨屋を指差して、ゆうが言う。
うん、と頷いて、わたしたちは木製のかわいらしい扉を押した。
からん、とベルの音。
雑貨屋、というだけあって色んなものが置いてある。
ハンドメイドのお菓子だったり、小物だったり、小さいけれど家具も取り揃えている小さな店。
「今日は何がいいかなー、あ、これ可愛い」
ゆうがひょいと持ち上げたのは、アヒルのモチーフの小さなペンダント。
ピンクゴールドのアヒルと、小さな花がぶら下がっている。かわいい。
「いいんじゃない?」
わたしは椎奈が好きだと言っていたこの店の、小瓶に入ったジャムとクッキーを籠に放り込んだ。
「じゃ、あたしこれにしよ。あ、お揃いにしちゃおっかなー」
えへへーと笑いながら、ゆうは同じ形のペンダントをふたつ買ったようだった。
薄いピンク色の紙袋にジャムとクッキーを入れてもらい、小さなリボンもつけてもらう。
ゆうも軽くラッピングしてもらったペンダントを鞄に入れて、店を出た。
外に出ると、空はすでに闇が侵食してきていて、夕日の赤と夜の群青が徐々に混ざり合っている。
もうそろそろ日も暮れるな。風が強く吹いていた。
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