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二人は一歩ずつ、ゆっくりと歩み寄ってくる
一歩、また一歩。踏み出すたびに体が強ばっていくのがわかる
───逃げなきゃ
頭ではわかっていても目の前の状況に足がすくむ
「うぇ…」
あ、泣きそう
目の端に涙がたまるのが自分でもわかる
でも、涙を拭う余裕はない。銀に光るものに意識が向いてそれを識別しようとする
やはり、あれは───
ついに、目の前に来てしまった
怖い
その単語が頭の中を支配している
「悪いなボウズ」
どこかで聞いたことのある声が聞こえた
声に反応して、顔を上げるとやはり二人組がいる
一人は刃物を振り上げ───
「え?」
───振り降ろした
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