始まりは春とは限らない…春だけど

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「いい声で鳴くじゃねえか…」 ナンパさんは、次に耳を甘噛みしてくる ぞくっと寒気が走る いや…怖い 「…やぁ……め……んっ…」 声が上手く出ない このままじゃ…いろいろやばい 「じゃ…いっただっきまーす!」 と、ナンパさんが服に手をかけようとした時だった 「私の琉希ちゃんに…何してんだああぁぁぁぁ!!」 何やら女性の叫び声が聞こえてくると同時に、僕を押し倒していたナンパさんがはるか後方に吹っ飛んでいた 「琉希ちゃん!大丈夫!?怪我ない!?」 その女性は僕に近づいてくるなり、僕の安否を聞いてきた 「お姉ちゃん……怖かった…怖かったよぉ…」 そう。この女性が僕のお姉ちゃんの『片口 瑠美(かたぐちるみ)』 髪は短めで肩ぐらいまで、目はぱっちりしていて綺麗な女性を思わせる いや、実際綺麗なんだけども そんなお姉ちゃんはいつも僕に構ってくれる 今回も、わざわざ僕の買い物についてきてくれた でも、お姉ちゃんがトイレに行ったすぐそばからこれじゃあね… また…心配かけちゃった
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