始まりは春とは限らない…春だけど

6/7
前へ
/57ページ
次へ
「琉希ちゃん?」 「んぅ?なに?」 しばらく黙っていたお姉ちゃんが口を開いた 「返事は…したの?」 「うん。断ったよ?」 僕は男の子に興味はない 付き合うなら女の子がいいです、はい 僕の答えに、お姉ちゃんは安堵の息をはいていた 「「ただいまー」」 二人で声を揃えて言ったけど、返事が帰ってくるはずがない 両親はどっか外国へ旅行に行った まったく…子供二人を残していい気なもんだよ 親がいないと言う事は自然と二人暮しになる 「お姉ちゃん、僕ご飯つくるね」 「うん。でも火傷しないようにね」 「ありがと」 お姉ちゃんは料理の腕が皆無なので、必然的に僕が料理をつくる って言うか家事全般僕がしてる 「お姉ちゃん…?」 「ん~?」 ご飯も食べ、お風呂にも入り、あとは寝るだけなんだけど… 「抱き着いて…いい?」 「ふふっ…琉希ちゃんは甘えん坊だね~」 お姉ちゃんに引き寄せられ、抱き着き、抱きしめられた 昔からお姉ちゃんと寝ていたからなのか、高校に入ったいまでも一緒じゃないと寝られない もちろん同じベットで 「高校に入って琉希ちゃんも変わるかなあって思ってたんだけど…琉希ちゃんは琉希ちゃんだね」 「ぁぅ…」
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2922人が本棚に入れています
本棚に追加