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桜の季節になると
必ず私は
オレンジジュースを二本 買って
屋上に向かう
冷たい風を浴びながら
桜を見下ろした。
風に誘われて
悲しいほどに儚く散っていく
桃色の花びらを眺める
大事に大事にオレンジジュースを喉を通しながら
散ってしまった花びらを惜しむ
それと同時に
まだ散らないで
そう願いながら
花びらに荒んだ心を癒やしてもらう。
窮屈に縮こまった心が
リボンがほどけたみたいに
するすると解放されていく
解放されるの感じて
二本目のオレンジジュースに手を伸ばす。
年に一度の贅沢に
心が清められていく
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