卒業とオレンジジュースと

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「寒い…」 冷たい風がスカートからはみ出た太股を撫でる 思い出すのは 桜が咲く暖かな日差しと柔らかい風 「名残惜しいなぁ…」 もう、ここから桜を見るコトはなくて 前に進んで 振り返らないと決めたのに やっぱり 私を癒やしてくれたモノ達は名残惜しくて 愛しくて ほんの数ミリの切なさが 胸を締め付ける 締め付けの痛みとオレンジジュースの甘酸っぱさが混じり合って 妙な複雑な気持ちになる 「少し…希望は持ちたいな」 桜の花びらにそっと誓う。 希望 持ったら それだけ絶望してた3年間 前に進むための希望 オレンジジュースを一気に飲んで 弱い弱い心に決める 前に進む 前を向いて生きる 私は前を向いて行くよ 決して振り返らないよ
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