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『和也!起きてってば!』 『う…ん…。』 夜の22時半。 あたしが家に帰る時間だ。 和也とは出会って7年。もうすぐ8年。 あたし達は今年で20歳になる。 中学が同じで高校が別。大学も別だけど、何故か昔から10日に一回位は和也の家に来ている。 別に付き合ってはいない。 友達かすらよくわからない時もある。 『どうしたの?』 うつぶせでうっすら目を開けながら、和也があたしの事を見た。 『もう帰るよ。』 『うん。ばいばい。』 あたしはムカッとするのを押さえて帰る支度をした。 気をつけてね位言ってくれてもいいのに。 起き上がって玄関まででもいいから見送ってよ。 夜は危ないから送るよ。とか言ってくれてもいいじゃない。 でも和也は布団に入ったままびくともしない。 その前に人がいるのに寝るって…どういう神経? 『ばいばい。』 あたしは家を出た。
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