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「はい」
月曜日の朝、更紗は小さな包みを差し出した。
「えーと?」
「何すっとぼけてるの?土曜日バレンタインだったでしょ?」
ああ。
そういえばそうだった。
なんせ、母と姉からもらったぐらいだったから忘れてた。
「サンキュー」
そう言いながら受け取ると、更紗は釘を差し出した。
「学校で食べちゃダメだからね。先生に怒られるよ」
「分かってるって」
内心ではもらえた事をすごく喜んでいるのに、ついつい素直になれない。
俺の悪い癖だ。
どうでもい……よくないが、クラスの雰囲気が悪い。
落ちたヤツは一般に向けて勉強している。
逆に、受かった俺らはこんな日常的な会話を繰り広げている。
空気が悪いな。
居心地が、悪い。
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