散る桜

贈り物

俺は、更紗に許可をもらって早めに切り上げた。
もう４時だ。
いったん家に帰ってから、雑貨屋に足を運んだ。
正直入りづらい。
女子ばかりだ。
アクセサリーのコーナー。
いろいろある。
けど…。
一番目についたのは、桜の指輪。
小さい綺麗な桃色の石でかたどってある。
だがしかし。
（やばい。俺、更紗の指輪のサイズ知らねぇ）
仕方なく、それと同じ種類のネックレスを買った。
店員に丁寧にラッピングしてもらい、店を出た。

更紗は喜ぶだろうか。

それよりも、更紗の泣き顔が気になった。
声を押し殺した泣き声。
聞いてるこっちが悲しくなってくる。

明日は更紗の笑顔が見れますようにと。