10年

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  「…亜樹のお母さん?」     どことなく 親友・亜樹の雰囲気がある 女性だった。     「…お久しぶり」   「ご…ご無沙汰してます!」   「元気にしてた?」     ゆっくりと墓石の前に座り 手を合わせた亜樹のお母さん。     「…はい   もしかして… このコは結那?」     亜樹のお母さんと 同じ行動を繰り返し   時折 こちらを不思議そうに 伺う。     「そうよ。 大きくなったでしょう?   結那、こちらは お母さんの友達の紗弥さんよ」   「…コンニチワ」   「こんにちわ。 ああ、何と無く亜樹の面影が ありますね」     亜樹のお母さんは ゆっくりと微笑んだ。     「だんだん 亜樹に似てきたわ」     亜樹の娘、結那は 少し困ったように 俯いた。
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