144人が本棚に入れています
本棚に追加
記憶にない母の話をされても
結那には困る話だ。
亜樹のお母さんは
私の娘、真弥に挨拶を
していた。
「紗弥ちゃん…」
「はい?」
墓石を見ながら
亜樹のお母さんは言った。
「私……
亜樹の日記を
やっと…
全部読んだのよ」
「…」
「10年…
10年かかっちゃった…」
少し涙ぐんだ目は
やっと
亜樹の死を受け入れ
乗り越えたような感じだった。
「結那を妊娠してから
この世を去る前日までの
3年分の日記……」
「…」
なんて声をかけていいのか
分からない。
最初のコメントを投稿しよう!