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「結那を見ている今は…
…あの子の
力になれているかしら…?」
弱々しい亜樹のお母さんの言葉に
結那は不安になり
亜樹のお母さんに
しがみついた。
「…」
どんな言葉も
亜樹のお母さんを
救う言葉には、ならない。
「…結那?覚えてる?」
結那と目が合い
私は尋ねた。
首を振る結那。
それは、そうだ。
私と会っているのは
結那が1歳の頃だ。
「結那のお母さんと結那と
私とこの子、真弥と
青い空を見たんだよ」
「…青い空…?」
「…何それ?」
私の中に
今も残る
雲一つない真っ青な空。
「結那のお母さんは
空が好きだったんだよ」
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