Machine257

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5時過ぎになると公園には、人がほとんどいなくなる。あんなに公園に響いてた子供の声は、もう聞こえない。そんななか、野球している女の子が一人淋しくそこにいた。敬太は、そのこに一言声をかける。 「野球教えようか?」 女の子が振り返って、敬太の方をみた。 「たしか、一組の……。」 「鹿嶋(かじま)。敬太って呼んで。懐かしいなここ。中学入ってからこれなくなっちゃって。俺もここで投げたなあー」 いきなり語り出す敬太に真希は慌てる。その様子を見ていた敬太はいきなり、真希がにぎりしめているボールを強引に奪った! 「!?ちょっと何す」 「みてな。今からあそこにボールを当てる。」 そういいながら、敬太は何メートルも先にあるすべりだいを指でさした。真希はびっくりする。いきなり声をかけられ、なんだと思えば、自分から一方的にしゃべり始め、こんな遠い距離からボールを物に当てようなんてバカげてる。何いってんの?「な」の字をいおうとしたが…。もう彼は、かまえのフォームだった。とてもキレイにボールを滑らせる姿にうっとりみとれてしまう真希。そしてカーンと響くすべりだい…。真希は敬太に笑いかけた。 「私は真希。野球教えてよね。敬太くん。」 「俺をなめんなよ。だてに六年野球やってねえから。」 そういってから、お互い汚い手で握手したのだった。
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