プロローグ

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「恭介!ドンペリ入れて!」  いきなり、恵梨が言い出した。  来た……そう思いながら恭介は顔に焦りを作り口を開く。 「なっ!五万以上すんだぞ!無理しなくていいから!」 「ううん、無理じゃない。私、恭介の為なら何でもできる……私の我が儘だから。お願い、ドンペリ入れて?」 「っ!……今日だけにしろよ。俺の為にしてくれるのは嬉しいけど、さっき言った通り恵梨に負担をかけたくない。」 「うん」  恭介は恵梨の頭に手を置く。恵梨はニッコリ笑いながら頷いた。 「ドンペリ入りましたぁ!」  ホスト全員によるコールの中、恵梨は恭介の手をずっと握っていたのだった。 「さて、今日はもう店終いらしい」 「え、もう?……私もっと恭介と居たいよ」  眉を八の字にして落胆する恵梨。 「う~ん、どっか連れてってやりたいんだけど生憎、俺の財布は貧相だからなぁ」 「お金なら私が出すから!ね?ね?」 「ん~、それならお言葉に甘えるかな」
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