プロローグ

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 時刻は午前2時。恵梨を店の外で待たせている。何故ならば終了の挨拶があるからである。 「皆!今日もよく働いてくれた!ありがとう!新人さんは恭介君しかキャッチ成功できなかったけど明日も頑張ってね!じゃあ解散!あ、恭介君は残ってね。話があるから」  店長が喋り終わると共に各々が店を出始める。  大体が店から出て行ったのを計らって店長は喋り始めた。 「まず、話っていうのは三つ。」 「おう。……はい……」  キッと睨まれ返事を変える。すると、満足したみたいで話を続け出す。 「一つ目はお祝い。おめでとう。初日からノルマを上回るだなんて思っても見なかったよ。やっぱり恭介君は逸材だったね!」 「あぁ」 「二つ目は注意事項。キャッチの前に教えた事、お客様の機嫌を損ねる様な真似は一切しない。これはきっちり守ってね。まぁこれは前置きで本題に入ると、余り身内で喧嘩をしないで欲しいんだ」 「ん?どういう事だ?」 「恭介君は暴走族をしてたって言ってたよね?」 「あぁ」 「内は基本自由だから身内の喧嘩とかは自己責任でしてくれるなら別に構わないんだけど、君を見る限り生半可な強さじゃない。喧嘩を幾重もしてきたって面をしてる。だから絶対に本気でしないでほしい。」 「ん、わかった」 「あ、それとホストは顔が命だからね?顔は殴っちゃいけないよ?」 「それくらい知ってる」  ニコっと笑い店長は続ける。 「最後に、君はこの一日でナンバー入りした。」 「は?……そうは言っても俺が客から出した金は八万ちょいだぞ?」 「あは……は。うちは基本レベルが低いからね。ナンバー、ワン、ツー、スリーのおかげでやっていってる様なもんだから」 「そうなのか」 「うん。話を戻すけど、新人が初日でナンバーを取ったってことは勿論、上から目をつけられる。恭介君自身、もしかしたら客を狙われる事だってある。気をつけてね。本当は僕がルールを作ればいいんだけどうちの売りは自由だからね……。だから恭介君で解決してね」 「わかった」  それだけ言うと店長はささっと事務室に入って行った。  恭介はそれを見ると早速外に出た。
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