453人が本棚に入れています
本棚に追加
「いらっしゃい皐月さん。今日も綺麗ですね」
「あらあら恭介君はいつもお上手ねえ」
いつものように他愛のない会話から入る。
皐月がドンペリを入れ、二人で飲んでいる時であった。
「恭介君」
「ん?なんですか皐月さん」
「そろそろお芝居は終わりにしないかしら?」
恭介の笑顔が壊れる。
「何が……言いたいんですか?」
「まぁいいわ。恭介君。貴方、お金の為なら何でもできる?……いえ、妹の為なら何でもできる?と聞いた方がいいかしら」
キリっと真剣な表情を作り尋ねる皐月。酷く整った顔からは恐怖すら感じる。
「……何が言いたいんですか?」
「質問に答えなさい」
「できます……けどそれが何か?」
「ふふふ。やっぱり思った通りね、……もう閉店時間だし落ち着いて話したいから外で話しましょう、先の公園で待ってるわ」
それだけ言うと去るように皐月は札束を置いて店を出た。
場は変わり約束の公園。
最初のコメントを投稿しよう!