第一話「執事の学校」

3/8
前へ
/69ページ
次へ
「いらっしゃい皐月さん。今日も綺麗ですね」 「あらあら恭介君はいつもお上手ねえ」  いつものように他愛のない会話から入る。  皐月がドンペリを入れ、二人で飲んでいる時であった。 「恭介君」 「ん?なんですか皐月さん」 「そろそろお芝居は終わりにしないかしら?」  恭介の笑顔が壊れる。 「何が……言いたいんですか?」 「まぁいいわ。恭介君。貴方、お金の為なら何でもできる?……いえ、妹の為なら何でもできる?と聞いた方がいいかしら」  キリっと真剣な表情を作り尋ねる皐月。酷く整った顔からは恐怖すら感じる。 「……何が言いたいんですか?」 「質問に答えなさい」 「できます……けどそれが何か?」 「ふふふ。やっぱり思った通りね、……もう閉店時間だし落ち着いて話したいから外で話しましょう、先の公園で待ってるわ」  それだけ言うと去るように皐月は札束を置いて店を出た。  場は変わり約束の公園。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

453人が本棚に入れています
本棚に追加