プロローグ

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「チッ。ガス欠か」  恭介のバイクはゆっくりとスピードを落としていったかと思うと完全に停止した。  恭介はバイクの鍵を抜くとバイクから下りる。そして、そのまま歩き始めた。  人が多く集まる場所ということで、恭介はかなり注目されていた。  所々についている血のせいである。 「あっ!族長!」  次々と恭介に視線が集まる中、一つ恭介を呼ぶ声が聞こえた。 「ん?……テツか」  こちらにやってくる人影を見つめ恭介は呟く。 「テツか……じゃないですよ!どれだけ探したと思ったんですか!?」  テツと呼ばれた金髪の男は叫んだ。そして一旦、一息つくとまた口を開く。 「とにかく、ここじゃ貴方は目立ち過ぎますから移動しますよ?いいですね?」 「ん、あぁ。つーかいきなり来てなんだお前は?また俺の手を借りてえってか?」 「違います。とにかく行きますよ」  二人は裏路地へと消えて行った。
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