第二話「土、日は私に尽くしなさい!」

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「えっ!あー……なんだっけ?」  てへっとごまかすお嬢様。舌を出す仕種に呆れながら恭介は口を開く。 「用無いなら出てけよ、指の間から見てるの分かってんぞ?」 「ご、ごめん。べ、別に魅力的とか思ってないんだから!」  明らかに動揺しながら、赤く染めた頬を晒し、怒鳴るお嬢様。 「はいはい。どうせ魅力なんかねえよ、こんな傷だらけの体なんか」  軽くあしらう恭介。本心はそんな事全く思っていない。何故なら顔や体には自信がある生粋のナルシストだからだ。  そんな恭介の反応にお嬢様は顔を俯けボソボソと呟く。 「そんな事………ないわよ」 「ん?なんだ?」 「べ、別に何でもないわよ!」  言い張るお嬢様の顔は更に赤さを増している。 「そうか?」  意地悪な笑みを見せる恭介。本当は聞こえていたのだ。 「あっ、お、思い出したわ!」  ごまかす様に突然話を振るお嬢様。 「俺への用をか?」 「うん」 「そうか、それで結局なんだ?」 「えと……」 (昨日の事でお礼言いたいんだけど、、)  いざ、言おうとすると緊張して言葉が出ず、口をぱくぱくさせるお嬢様。 「どうした?金魚の真似か?」 「うー……。あり、あっありが…………」  お嬢様が吃り沈黙が続く。 「ど……」 「ど?」 「土、日は私に尽くしなさい!」 「……へいへい」 (言えたー……って!違うわよ!?)  二人の中に絆というものと主従関係が生まれた日であった。
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