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これでクラスメートと変人は終わりだな。後は校長みたいなじじいとイケメン好きらしい保健室の女ぐらいか。
「馬鹿はお前だろう霧山?掛け算も出来んお前に言われるとはショックだぞ先生は」
「黙れ変態教師。学力的に言ってんじゃねえよ、生徒にセクハラすんなって言いてえんだよ」
「セクハラではない。趣味だ」
「それがセクハラっつってんだよ!」
「そう怒鳴るなき・り・や・まっ」
「歳考えろババア」
「犯したろか?」
漫才にも似た俺らのやり取りに笑いが起きる。
逆に犯してやろうかババア。
「先生、授業始めませんか?」
いきなり明子が切り出した。
「おっと、そうだったな。悪い悪い」
ニカッと笑いながら謝る京子。
今思えば男らしい喋り方が特徴だな。自然すぎて忘れてたぜ。
「さて、今日は昨日の続き……と言いたいが、護身術を新しく始めたいと思う」
「護身術?」
口を開いて聞き返す。
護身術が執事やメイドに関係あんのか?
「あぁ。主人が危険になった時、守るのも仕える者としての嗜みだ」
京子は腕を組み俺を見ながら言った。
なるほどな。俺の得意分野の授業か。
おもしれぇ。
学校再開してから三日。
この三日間、言葉遣いや主人を楽しませる為の話題作りの仕方、お世辞、などなどつまんねえもんばっかりだったからな。
やっと楽しめそうなもんが出て来やがった。
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