第四話「夏!ー無人島前編ー」

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「あっちーな」 夏服の執事服のベストを脱ぎ捨てる恭介。  恭介が執事になってから約半年、季節は既に夏に入っていた。 「ちょっと、その服高いんだから乱暴に扱わないでよ」 「うっせーな、お前は母さんか」  眉間にしわを寄せながら悪態づく。 「むー」  溜息を吐き出すとお嬢様はベストを拾い、たたむ。 「あっ、そういえば明日からアンタの妹夏休みよね?んむっ」  お嬢様の唇に指を当てる。 「アンタじゃねえぞ?」  普段からは想像もつかない笑みを浮かべる。  その笑みを向けられたお嬢様は一瞬にして顔を赤くした。 「う、うるさい!」  既に何回もしたやり取り。この笑みを向けられたいが為に、わざと言ってるのを彼は知らないだろう。  あの事件以来、どうも恭介の事が気になって仕方がない。  今まで恋などした事がなかった渚は気持ちの正体がわからない。  ただ、二人の間に絆が出来始めているのは誰から見てもわかる事である。  二人の間に若干ではあるが良い雰囲気が流れ始めた。  その時、部屋の扉がノックされた。 「入って」 「失礼します。お嬢様、美咲お嬢様がお見えになっております」  現れたのはエアークラッシャー、クリウスであった。
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