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ユウの提案に、俯いて絶望に打ちひしがれていた四人は顔を上げ、少し警戒しながら希望を込めて続く言葉を待つ。
「友好国へと亡命してそこで暮らせ」
ユウの言葉が拍子抜けだったのか、四人は呆けた顔をした後、真面目な顔になって僧侶が告げる。
「何を企んでいるの?」
探るような目をした僧侶の声を聞き、他の三人もユウの顔を注視する、しかし骸骨の表情が読めるはずがない。
「ただの気まぐれさ、強いて言うなら無駄な殺生は好きじゃない。
それと、気まぐれに救いの手を差し伸べようと思ったまでさ」
軽々と口にするユウの顔を僧侶はしばらく見つめた後、少し考えて告げる。
「わかりました、その要求を呑みましょう」
剣士と戦士は驚き、魔法使いは安堵したような息を漏らす。それを見たユウは頷き、早速行動に移し、四人を強制的に転移させる。
それを見送ったユウは闇の衣を解き、今度こそ魔王に別れを告げ、歩いて魔王城を出て、骨の翼を広げる。
空高く飛び、ゆったりと先ほどまでいた荒野の廃村へと向かう、どうやらそこを拠点にするようだ。
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