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中でもピンピンしているのは、召喚された勇者であろう、命の危険に関する本能が欠如している男子生徒。
彼はこの有り様を見て、死神とキメラが原因だと考え、無謀にも光輝く剣を手に駆けていく。
死神は職務を全うするために、キメラと自分の召喚者である気絶した生徒の魂を刈り取ろうとしていた。
刈り取った魂によってキメラは早ければ元の姿に、遅ければ元の魂に戻れるのだが、愚か者が邪魔をする。
「させるもんか!!」
剣を振り、死神の職務を妨害する勇者、死神は黒い剣を取り出し、勇者と斬り合う。
勇者はでたらめなことを言い、自身の言葉を盲信し、人の話を聞かず、死神に剣を向ける。
その太刀筋はお世辞にも良いものとは言えず、そこらの子供の方がまだ剣の扱いが上手いだろう。
しかし魔力と力によるごり押しは、キメラを抑えながらの戦う死神にはキツいようで、少々圧され始めた。
「このままじゃ、愚か者のせいで国が滅ぶね、正直この国はどうでも良いけど、少々気になることが出来た。
ちょっと行ってくるよ。ああ、それとこれを着けると良い、御守りだ。今よりもましになるだろう」
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