44人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
ユウは何か含みある言い方をした後、ちょっとそこまでみたいな軽く言った後、女教師にネックレスを渡す。
それは、革紐に何かの牙が一本ぶら下がっている簡素なもので、威圧感に耐え、肩で息をしている女教師はそれを身に着けた。
あれほどあった威圧感がかなり和ぎ、ユウはそれを見てうんうんと頷いたあと、死神達の方へ足を向ける。
手に闇の魔力を凝縮させ、自分の身長ほどの長さの黒い棒を作りながら、悠々と歩き、ある程度の距離になると魔力の矢を放つ。
当たった先はキメラで、まるで時が止まったかのように、もがいていた動きがピタリと止まる。
それを好機と見て死神はキメラの鎖を解いて、動きが良くなり、勇者を圧し始め、ユウはしばらく勇者の妄言を聞いていた。
キメラを作ったのは死神だとか、召喚者は殺させないとか、所詮魔物だ、人間である自分には知ったことではないと。
ユウはため息を吐き、死神に念話を送る。
《こいつ等の処理、俺に任せてはくれないか？》
《私はキメラを元に戻せるなら構わない》
《ありがとう、言っておくが召喚者は殺さないぞ？、こんな奴の魂を使わずとも、キメラを元に戻せる。
だから手は出さずに見ていてくれ》
最初のコメントを投稿しよう！