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そうして魔力で剣を作り、戸惑うことなく目をくり貫き、耳と鼻を削ぎ落とし、舌を引き抜いて四肢をもぐ。
警告を聞かずにその様子を見たものは、顔色を悪くし、嘔吐していたが、ユウは気にせずに作業を続けていた。
そのあと治癒魔法で傷口だけを治し、今度は勇者に向き直る。
「俺は優しいからね、殺しはしてないし、失血死なんてさせないよ?
それと奴を治そうと思うな、治そうとした部位を失う呪いをかけたからな。
さて勇者、同罪のお前はどうしようか?
お前は知らないだろうが、使い魔には人型の者や人が来る場合もあるんだぞ?
そうだな、キメラにされた者を軽んじたお前はキメラにしてやろう」
勇者は顔を青くし、首を左右に振って身をよじるが、鎖はびくともせず、ユウは勇者に手をかざす。
「今回は三体だったから、三体でキメラにしようか。
ああ、正気のままにしておくから、くれぐれも狂うなよ?」
勇者の周りが黒いもやに覆われ、それが晴れると勇者は異形の存在になっていた。
右肩からは禁忌召喚した男子生徒の頭が生え、胸には巨大なハエの頭が付き、背中からは虫の足が不規則に六本生える。
体にはハエの羽と、先を失った手足も生えており、勇者は呆然と立ち尽くしていた。
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