召喚

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死神は喜んでその術に応じ、ユウが手順を教えると、二人は互いに握手し魔力を流し合う。 すると互いの手が柔らかい光を放ち、契約は成立した。それを見計らったようにキメラになっていた一体が二人に声をかける。 「そこのお二人さん、ここはどこだい?」 声を出したのは巨体の蛇、リヴァイアサンでありユウは彼の質問に答える。 「ここは王国の果てにある自国に滅ぼされた廃村だ。こちらも質問するが、あんたは元々はどこにいたんだ?なぜここに自分がいるか記憶はあるのかい。」 リヴァイアサンは目をつむり、しばらく考えた後で口を開く。 「私は蛇の姿で川べりを散歩していて、そこから記憶がないんだ」 しょんぼりした表情のリヴァイアサンと、二人の会話に聞き耳を立てる赤獅子とライトドラゴン、ユウは死神と目を合わせ、事実を告げることにした。 キメラとして禁忌召喚されたこと、それから無事に三体に別れたことを聞き、三体は召喚者への怒りを募らせていた。 「さて、これからどうする?」 ユウが告げた言葉に、元の場所に帰りたいと言うまだ幼いであろうライトドラゴンと赤獅子で、ユウたち三体は難しい顔をする。 ドラゴンは子育てをする魔物で、赤獅子は群れを作る魔物だ。だが幼い二体はキメラになっていた痕が残っていた。 リヴァイアサンのウロコ、ライトドラゴンのウロコ 、赤獅子の毛皮が残っており、属性も増えていた。
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