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その時稲光と共に雷鳴がし、体に激しい衝撃を感じた。そこまで思い出して彼は察する。
(ああ、雷に打たれたか、もしくは電柱に当たった雷に感電して死んだのか)
そう考えながら塀の間近に佇む彼、塀は石で出来ており、上には侵入対策か鋭利な石が先端を上にして並んでいた。
しかし人のいる気配がせず、彼は入り口を探して塀に沿って歩き、入り口を見つけたのだが、案の定と言うべきか、門番の姿は無かった。
そこから見える範囲には、いくつかの建物が見えるが人っ子一人居らず、彼は廃村かと思いながら中へ入る。
そして住居の扉に手をかけて開けると、人が生活を営んでいたであろう住居は生活用品はそのままで埃が溜まっていた。
彼はその溜まり具合を見て、人が居なくなってから余り時間が経ってないと判断する。
そして虱潰しに辺りの住居も開けていくが、どこの家もこの家と変わりは無く、彼は最後の家に入って中を物色する。
すると本棚が目に入り、その背表紙を見る。知らない文字が描かれていたが、何故かその意味がわかった。
彼は気になった一冊の本を手に取り、溜まった埃を払う。
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