起床

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その本は薄く、魔法入門書と描かれていた。 (魔法があるのか、ならばここは異世界なのか?) そう思いながら、彼は本を立ったまま読む、この本には魔法がイメージで作られることと、基本属性の初級魔法一つずつとその詠唱が載っていた。 基本属性は七つあり、火、水、土、風、雷、光、闇、詠唱は魔法を型作る材料で、唱えることで魔法の成功率や威力が上がる。 他にも魔法名だけを言う詠唱破棄と、無言で魔法を放つ無詠唱があり、詠唱を全て唱える完全詠唱、詠唱破棄、無詠唱の順番で徐々に難易度は高くなっていく。 そう本には書かれてあり、最後には他の魔法を知りたければ各魔導書の購入を、と書かれてあった。 彼は本を持ったまま部屋を出て、早速魔法を試す。 「ファイヤー・ボール」 恥ずかしいのか、詠唱せずに火の初級魔法を言う、すると火の球が現れて一直線に飛ぶ。 彼はその時何かを感じ、再びファイヤー・ボールを放つ。 今度は熱した鉄球のような球体が飛び彼は確信した。 (魔法には多分だが決まった形がある、だが俺の魔法は思った形になっている、もしかしたら)
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