起床

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彼等は自国によって襲撃され、このような異形の姿に変えられるとは、夢にも思わなかっただろう。 だが彼は助けに行かず、次のことを考える。同時多発的に世界各地で事件は起こり、似たような事例はあるのだ。 この村の人達だけを助ける気にはなれなかったのだろう。まあ障害になるようなら潰すが、そうして次に思い起こしたのは魔族の事だ。 魔族とは人ならざる者の総称であり、その頂点には魔王がいる。そして魔族は穏健派が多く、今代の魔王も穏健派だ。 人間との関係は仲の良い国は少なく、勝手に魔族を恐れたり、変に対抗意識を燃やしたり、悪と決めつける国が多々ある。 彼は己も魔に準ずるため、魔王に挨拶をしておくべきかと考え、魔王の下へ向かう準備を始めた。 その時に骨属性を創る、この属性は文字通り骨を操る属性で、彼は悪かった歯並びを直し、抜いた親知らずを再生する。 そして肩甲骨辺りから一対の翼を生やす。この翼は蝙蝠の翼の骨に近く、広げると羽ばたかずとも浮遊ができる。 そうして宙に浮いた彼は色々と試し、一路魔王の元へと向かい、空の旅を楽しんだ。
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