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彼はその教師に歩み寄り、魔法で周囲の音が漏れることを遮断し話しかける。
「少し構わないか?」
「えっ!?」
ユウの姿はただのスケルトン、本来なら知能を持たない魔物で言葉を話すのは人型に近いものか一握りの上位種だ。
だから教師が素っ頓狂な声を出すのは無理もないだろう。
ユウはそんなことお構いなく、目を白黒させる女教師に単刀直入に聞く。
「魔力無しや属性無しの落ちこぼれ、いるだろう?彼らに力の使い方を教えても良いか?」
女教師の顔は引き締まり、辺りを警戒して理解が追いついていない頭を切り替える。
「ああ、ちなみにこの会話は盗み聞きされないようにしたし、俺のダミーも置いてあるから大丈夫だぞ?」
再び混乱しそうになる頭を落ち着け、女教師は冷静にユウに聞く。
「なぜ私に尋ねるの?教師はほかにもいるでしょう」
単純な疑問だが、答えは大方予想がつく。
「貴女が一番わかっているだろ?この場にいる中で一番まともそうだったからだ」
ニヤリと笑うユウに少しギョッとしながら、女教師はこの可能性に賭けるべきだと考えた。
「良いわ、あの子達のために貴方に賭けてみる」
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