第三章

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俺は常に闇の中を歩き続けている。 行く先も見えない、果てしない闇のなかを。 悲しみと憎しみの混沌が渦巻く闇をひたすら ただひたすら、 歩き続ける。 行く先は闇。 終わりはない。 絶望で腐りきった心が微かにあげる悲鳴も無視し、決して立ち止まる事は無かった。 そんな時にだ。 微かに、 ほんの微かに、 行く先の闇の果てより、小さな瞬く光が見えた。 だが、その光もすぐに消えてしまった。 一度見つけた光を失う事は今の俺にはとても辛い。 だが、俺の心にはもうあの光の面影が焼き付いていた。 温かい光が、 俺を心底から奮い立たせる。 もう一度、 あの光を見してくれ。  
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