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「元帥、報告します。オルスの支配下にあたる十名弱のA級ウォンテッドクリミナルのバルバロス達の目撃例が各地で確認されました。」
男の報告を聞き、元帥と呼ばれる男がクルッと椅子ごと回転して、正面を向いた。
「各バルバロス達の目撃地の詳細を詳しく述べますと、まず…「よい。」
男の言葉を遮るように、元帥は言い放った。
元帥:「その者達の目撃地を知ったとしても、なんの意味もない。仮に一人一人を捕らえるために兵士達を派遣させた所で、数が中途半端のあまり簡単に返り討ちにあうだけだ。
ましてや相手はオルスだ。
今ここで兵力が分散していては、どんな奇襲にかかるか分からない。
奴は相当、頭がきれる。下手な行動を起こせば、まんまと罠にはめられるのがおちだ。」
「では、この件に関しては何もなさらないと言う事でよろしいですか?」
元帥:「そのつもりだ。なによりも今はオルスの情報を入手する事が先だ。何も分からないままでは、話にならん。なんとしても手に入れろ。」
「承知しました。元帥、それとはまた別で報告がもう一つございます…。」
元帥:「なんだ?」
「先程の情報を入手する際に、たまたまよからぬ噂が入り込んできまして。あくまで『噂』ですが…。」
元帥:「確かでない噂をわざわざ私に報告する必要はないぞ。」
「それがとても聞き捨ててはならないような噂なのですが…。」
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