第三章

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施設内は広すぎるために、どこに誰がいるかなんてのはわからない。 この中での人探しは至難の業だ。 俺達はロクシスの後をひたすらついて行く様に歩き続けているが、なかなかつかない。 行き交う研究員や作業員が俺達を見る度に挨拶をしていくが、多すぎて顔など覚えられそうにない。 そして歩く事、数分。 二機の大型飛空挺が対になって並んでいる所で、ロクシスは足をピタッと止めた。 ロクシス:「ネイルー。連れてきたぞ。」 ロクシスは頭上の大型飛空挺に向かってネイルの名を呼んだ。 「はぃよ…。今行くから待っとけ。」 上から、いかにもダルそうなやる気の無い様な声が聞こえた。 そして、大型飛空挺の周りに張り巡らされたワイヤーをつたって、滑らかに男が滑り降りてくる。 地面に着地すると、男は煙草を取り出し火を付けながら俺達のもとに歩み寄ってきた。 「よぉ。久しぶりだなぁ…。」  
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