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「…何、してるの」
聞き覚えのある低い声が山本の大きな背中の後ろからした
その姿を見ようとすると山本が俺を抱きしめていた腕を離し、声の主に話しかけた
「なぁ、お前がツナと付き合ってるんだろ?雲雀」
「……ぇ?」
声の主は雲雀さんだった
そしてさっきの状況を思い出し、否定しようとした
けれど山本の大きな手で口を塞がれた
「…雲雀は、ツナを幸せにできんのか?」
周りには沢山の生徒がいる
周りの目など気にしない山本は雲雀に話し掛ける
(やまもと、)
自分のことを本当に好きでいてくれる事は嬉しかった
だが答えは決まっている
その時、黙っていた彼が口を開いた
「綱吉は僕ので、僕は綱吉のものだよ。」
そう言った
その一言だった
山本は俺を見て苦笑しながら言った
「なら、大丈夫だな」
俺の頭をポンポンと撫でてくれた
「山、本」
「これからも親友でいてくれな?」
そうして山本は雲雀に一言呟き、校舎へ入っていった
気付くと目の前に雲雀さんが立っていた
そのまま無言で腕を掴まれ、山本に続くかのように俺達は校舎に向かった
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