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好き、好き
狂ってしまう
好き過ぎて怖い
だって僕は人をこんなに好きになったことが無いのだから
わからないよ
沢田
「雲雀さん、雲雀さん!」
君は笑顔で僕を呼ぶ
(愛おしい)
なのに、伝えてしまったら
君を傷つけてしまう
こんな気持ち、知らないから
僕が気持ちを伝えたところで、君を幸せにすることなんて出来やしないのに、期待ばかりする
「なんだか、雲雀さんの隣ってこんなにも落ち着くんですね」
笑顔を向けて言う
胸が痛い
このまま心臓が潰れてしまう、なんて思う
我ながら女々しいかもしれない
だけど、君が傷付くなんて
しかも僕のこの手で君が傷付いていく姿なんて
見たくもない
何で君は僕の前に現れたの?
君を知らなければ、好きにもならなかったし僕はこの感情を知らないで済んだのに
「…雲雀、さん」
「…」
無言で君を見ている
君は少し僕の目を反らす
「何で目、反らすの」
「…え?」
思わず声に出してしまった
(見てほしい、僕だけを)
独占したい、君のこと、
「僕は」
「好きです」
口を挟んだのは紛れも無い君
僕が、伝えてはいけない言葉を君が今
僕に伝えた
(駄目だ、駄目だ)
「駄目だよ、沢田」
「…ぁ、ごめんなさっ…」
謝らないでよ
こっち向いてよ
「僕が…」
「ひば、りさん?」
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