俺達の時間

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「終わらないー!」 放課後 獄寺君がいないだけでこんなにも違うのかと思い知らされる 居残りの俺と山本は数学の問題に苦戦している 教えてくれる人がいない分、自分達でやり方を調べては頭が痛くなる 「俺らいっつも獄寺に頼っちまってたからなー」 「あーまだこんなに問題がぁー」 先生も無責任だ 居残りって言ったくせにプリント渡して終わらせるまで帰るなだなんて 「…なぁツナ」 「んー?なに山本」 再び目の前のプリントという敵と葛藤をしているとき、山本が俺を呼ぶ 「ツナって好きな奴いんの?」 その瞬間椅子ごと俺は倒れた 山本はおもいっきり心配している (雲雀さん、なんて言ったらどうなることか) 「ま、まぁいるけど…」 「それって笹川?」 「違う違う!京子ちゃんじゃないよ!」 一生懸命否定する俺を見て少し安心したように笑う 「ツナ、俺さ…」 「……ぇ?」 雲雀さんと思いが通じあったあの日のような紅い空は今度は新たな始まりの合図となった
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